今回一番大変だったのは、建築場所が我々の地元から離れた地域であったため、新たに施工工務店を見つけなければなりませんでした。　工事業者は、 建てた後の事を考えますとなるべく地元の業者であった方がよいと思いますが、その会社の技術力、経営力、工事費用等を十分調べて、決定しなければなりません。　しかし、ここが一般のお客様が判断するのが、一番難しい部分ではないかと思います。
　　常々私共も、コストが合えば、木造住宅の場合、一般的な在来工法よりも、より耐震性に優れた、集成材による特殊金物工法を取り入れたかったのですが、運のいいことに今回の建築場所のすぐ近くに、その工法を主体に工事をしている工務店とめぐり合うことができ、より構造的に理想の物を比較的ローコストで建てることが可能になりました。　建主様にも大変喜んでいただくことができました。
　　設計の仕事は、建物のデザイン、間取り、使い勝手を十分考えて図面を作成することが主だと思われがちですが、よりよい施工業者をみつけて、工事費用も抑えながら、建主様の代弁者として、施工業者と緊張感のある関係を保ちながら、工事の最初から竣工まで、建主様の立場に立って、建物全体の監理を行う重要な役割があることを、未来の建主様に感じていただきたいと思います。